福島第一原発事故

質問: 原発データはどれをみればいい?

福島第一原発の燃料棒や容器などは、現時点でそれぞれどういう状態ですか?どう考えればいいのでしょうか?(30代男性・神奈川県ほか)

回答:

経済産業省からたくさんデータは出ているものの、数字だけでは中でいったい何が起こっているのかよくわかりません。ここでは、有志の専門家・研究者によって、わかりやすく編集された情報をご紹介しましょう。まず、炉内の状況が継続して安定しているかどうかに着目する必要があります。

燃料棒を安定な状態に保つためには、1)充分な水につからせておく、2)その水を一定の温度に保つ、以上の2点が重要です。水の温度が100度以上になると水蒸気が発生し、容器内の圧力が高まってしまいます。そのため、原子炉や格納容器内の圧力と温度をモニタリングすることが大切です。継続して安定しているかを知るためには、温度・圧力の日変動が示されたグラフがおすすめです。4月22日現在では比較的安定しているのがわかります。

参照:satoru.netによる「福島原発原子炉の状態」

燃料棒の損傷状態については、冷却水の状態、漏れ出てくる放射性物質の種類、シミュレーションなどから想定されています。下表は、早野龍五氏(東京大学理学部)による燃料棒や原子炉容器の状態の色分けです(国際原子力機関IAEAにもとづく)。赤は要注意です。


参照:早野龍五氏(東京大学理学部)による福島原発1-6号機の状態を示す図

参照:本サイトの【Column】原発事故ログ もご利用ください。

さて、最後に、原発問題が発生して以来、一貫して正確かつ迅速、そして包括的な情報を更新しているところがあります。それは英語版ウィキペディア。燃料棒や容器の最新情報を得たい場合は、「Reactor Status Summary」をおすすめします。

参照:英語版ウィキペディア「福島第一原子力発電所事故」(「show」リンクをクリックしてください)

現在、現場の努力により、炉内の現状は比較的安定しているといえます。しかし燃料棒はこれから月単位、年単位で冷却しつづけなくては安定な状態を保てないため、冷却装置を復旧する必要があります。その実現にはまださまざまな障害があり、継続して炉内の状態に気をつけなくてはなりません。


執筆:科学コミュニケーター 林田美里
2011/04/22 掲載