3.11巨大地震・巨大津波

質問: 天井が落ちた未来館は安全?

日本科学未来館をなぜ6月から再開するのですか。3月の本震の際に天井等が崩落した画像写真をみました。けが人がいなかったのは本当に何よりでした。しかし、今回の巨大地震は専門家の予想をはるかに超えたものだったと聞きます。今、頻発している余震も、今後想定外の規模で起きるかもしれませんよね。本当に6月から再開してもいいのでしょうか。余震が落ち着くまでしばらくの間は休館にすべきではないでしょうか。(30代女性・東京都)

回答:

ごもっともなご指摘です。毎日数千人の来館者を迎える未来館で天井が崩壊するという事故はあってはならない事故でした。もちろん、国の定める公共施設としての建築基準に則ったつくりとなっており、建物そのものは無事でしたが、天井の一部が崩落したことは事実です。

私たちはこの事実を受け、大規模施設の天井に以前から強い問題意識を抱いていた東京大学生産技術研究所の川口健一教授のご指導のもと、今までとは違う、新しい発想の天井につくり替える工事を進めています。

今回の大震災は「大きな揺れにも耐えられる頑丈な天井をつくる」という発想に疑問を投げかけました。「想定外」とは私たち人間の都合で決められたものです。自然に対する謙虚さを忘れてはなりません。「絶対に落ちない天井」はありえません。未来館では「たとえ落ちたとしても、大事に至らない天井」を、来館者を迎えるために選択しました。

まだまだ余震も続いていますが、そもそも地震大国日本に建つ未来館として、大勢の人が集まる公共建築物の天井や建物がどうあるべきかを多くの方と議論し、未来を切り拓いていきたいと考えております。6月には新しい発想にもとづく安全な「天井」とともに多くの来館者の皆さまをお迎えいたします。


執筆:科学コミュニケーター 大西将徳
2011/04/26 掲載


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