
「どうする!? プラごみ」vol. 3
本ページは、プラスチックごみ問題について考えるイベント「どうする!? プラごみ」の特設ページです。イベントでは、この問題の解決に向けてビジネスの現場で取り組む5名の方の活動を紹介し、それぞれみなさんといっしょに考えたい「問い」を出してもらっています。会場にはボードを設置して、訪れた方は自由にアイデアをはり出すことができますが、来館中に時間がなかった方や、期間中に来館できない方でもオンラインでアイデアを投稿できるようにしました。集まったアイデアやご意見は実践者と共有するほか、未来館の科学コミュニケーターがとりまとめて定期的に発信していく予定です。みなさんもいっしょに、プラごみ問題の解決方法を考えてみませんか?
下記の問いにある「アイデアを投稿する」ボタンを押すと、投稿用のフォーム画面に移動します(すべての問いは同じフォームを利用します。なお今回イベントの参加申し込み用のシステムを利用しているため、そぐわない表現がありますがご容赦ください)。投稿したい問いを選択して、アイデアをご記入のうえ送信してください。投稿者の特徴をたずねる設問もありますが、個人が特定されるような情報の入力はお控えください。入力確認をへて「送信する」ボタンを押すと未来館に届きます。
投稿にあたってのご注意繊維の約7割は合成繊維というプラスチックでできています。捨てられた服の多くは焼却や埋め立て処分されていますが、リサイクルなどのしくみを整えれば再び資源にすることができます。
わたしたちは、着なくなった服を回収して資源にする「BRING™」というプロジェクトを展開しています。現在、全国約4,000カ所以上※で回収しています。回収した服のうち、まだ着ることができるものはリユースし、もう着ることができないものは素材ごとに分けてリサイクルしています。その中でも、ポリエステル100%の服は独自のケミカルリサイクルという技術でポリエステルを分子レベルまで分解して異物をのぞき、石油からつくられたものとほとんど同じ品質のポリエステル樹脂に再生します。その樹脂をつかって、みなさんに長く着てもらえるような服もつくって、販売しています。
回収箱にえがいているのはハチ。ハチが蜜を集めてくるように服を集めて新しい資源を生み出すイメージです。「服を回収してリサイクルし、また新しい服となって戻ってくる」というしくみを通して「服とのつきあい方」や「服(資源)の循環」を考えるきっかけにしてほしいです。※2023年1月時点。期間限定開催も含む。
商品には、多くのプラスチック容器や包装がついてまわります。売り方や買い方を変えることで、プラごみを減らせるライフスタイルが実現できます。
東京都三鷹市で、地元の食材や日用品を必要な分だけ買える「量り売り」のお店を開いています。一般的なスーパーでは、お米は5キロや10キロなど決まった重さでプラスチックなどに包まれて売られていますが、わたしたちのお店では、お客様が持参した容器に、ほしいだけのお米を入れてもらい売っています。「1人暮らしでお醤油1瓶も使いきれない」という方にも「量り売り」はおすすめです。プラごみを減らすだけでなく、食品ロスやお金の無駄も減らせる、人にも環境にもやさしいお店をめざしています。
米や調味料のほかドライフードやスパイスなどさまざまな食材を扱っていて、その説明から量りの使い方まで、「量り売り」を通じてお客様と会話が弾みます。食材に込められたこだわりを説明したり、やっぱりプラスチックの方が便利な時もあるよね、と話したり。そんな会話を通じて、新しいライフスタイルを一緒に探していけたらいいなと思います。
つめかえパックをつかうことでプラごみを減らすことができますが、ゼロにはなりません。さらに減らすために新しい技術開発やしくみづくりが必要です。
わたしたちは、洗剤やシャンプーなどをつくる化学メーカーです。ボトルと比べてより少ない材料ですむつめかえパックを販売し、お客様につめかえていただくことで、これまで多くのプラごみを減らしてきました。現在は、このつめかえパックをリサイクルできないか研究しています。つめかえパックも、洗って細かく砕いてからとかして固めることで、ペレットとよばれるプラスチックの原料になります。これをもう一度とかして薄くのばすと同じようなつめかえパックをつくることができます。
しかし課題もあります。つめかえパックは、湿気や光などの影響を受けないようにさまざまな種類のプラスチックを組み合わせてつくります。これをまとめてとかしてつくりなおしたつめかえパックは、性能が落ちてしまうのです。また、もともとの色が混ざり合うためリサイクルすると全体に緑っぽくなってしまいます。技術的な問題だけでなく、お客様につめかえパックだけを分別してもらい回収することが可能なのかという課題もあります。
これまでに出された大量のプラごみが海など自然の中に残っています。ごみを減らすだけでなく、これらも同時に回収しないと問題は終わりません。
わたしたちは、環境問題を科学技術で解決しようと立ち上げた企業です。2040年までに、自然界に出されるごみより、多くごみが回収される状態を目指しています。AIを活用してごみがどこにどれだけ落ちているかを調べるシステムをつくり、効率的なごみ拾いの計画を立てられるようにしたり、マイクロプラスチックが実際にどう流出しているのか調査し、原因を突き止めてプラごみを減らす行動につなげたりしてきました。
ごみ拾いSNSのピリカは、ごみ拾いを楽しくしようとつくり出されたものです。スマホのアプリなどを通じて、自分が拾ったごみの記録を発信したり、ほかのユーザーに「ありがとう」のメッセージを送ったりすることができます。「すべきこと」よりも「やって楽しいこと」の方が、より多くの人に取り組んでもらえるでしょう。すでに100以上の国と地域で累計2億個以上のごみが拾われています。
プラごみの問題のひとつは分解されずにいつまでも残ること。プラスチックにかわる、自然にかえる素材が広まれば、生きものへの影響などを減らせるかもしれません。
プラスチックにおきかわる、植物由来で生分解性のある素材を開発しました。プラスチックと同様に熱を加えると形が変わり、様々な製品をつくることができる素材です。生分解性とは、たとえば土の中で木材が長い時間をかけて腐っていくように、微生物の力を借りて二酸化炭素や水にまで分解することができる性質です。プラスチックはふつう自然界で生分解されないので問題になっています。わたしたちがつくった生分解性の素材は、土だけでなく海の中でも生分解されます。
わたしは、目的に合わせてこの素材の硬さなどの性質を調整し、スプーンやストローをつくる仕事をしています。地球環境を優先させてわたしたちの生分解性の素材を使うことができる場面は多くあるでしょうし、使いやすさを優先させてほかのプラスチックを使うべき場面もあると思います。環境によいことか、使いやすさか。なにを優先すればいいかお客様と一緒に考えていきたいです。
集まったアイデアやご意見などは未来館の科学コミュニケーターがとりまとめて定期的に発信していきます。記事のリンクを順次掲載していきます。