ともに「未来」をつくるプラットフォームに 新館長 浅川智恵子が就任

市民参画・共創・社会実装を推進する「Miraikanビジョン2030」を発表

日本科学未来館

浅川智恵子 新館長 (シンボル展示「ジオ・コスモス」前で2020年夏撮影)

日本科学未来館(略称:未来館)は2021年4月1日、第2代館長に浅川智恵子が就任したのにあわせて、今後10年間、未来館が進むべき方向性を示した「Miraikanビジョン 2030」を発表しました。

人工知能やバイオテクノロジーをはじめとする科学技術の進化によって、人類がこれまでできなかったことができるようになる一方で、人為起源の気候変動や生物多様性の損失などが進み、人類の持続可能性が脅かされています。この時代に未来館はミュージアムとして何ができるでしょうか。浅川は就任が決まった昨年4月以来、スタッフらと議論を進め、その方向性を「Miraikanビジョン 2030」としてまとめました。

本ビジョンでは「あなたとともに『未来』をつくるプラットフォーム」というフレーズを掲げて、今後さまざまなアクションを展開していきます。来館して科学技術のことを知ってもらうだけではなく、未来館がさまざまな課題解決や未来社会づくりに向けて、年代や国籍、障害の有無などに関係なくあらゆる人が参加して、研究者らとともにアイデアや取り組みを生み出し、さらには社会に広めるための実験を行っていく環境でありたいという決意を込めています。

浅川は就任にあたって、「未来館とつながる人々が、幅広い科学技術を体験し、未来の社会を想像し、行動を始めることで、新しいアイデアやイノベーションを生み出して欲しい。そのために、多様な人々と科学を結びつける科学コミュニケーション活動を積極的に進めていきたい」と抱負を述べています。

日本科学未来館 概要

日本科学未来館は、「科学技術を文化として捉え、社会に対する役割と未来の可能性について考え、語り合うための、すべての人々にひらかれた場」を設立の理念に2001年7月9日、東京・お台場に開館しました。科学技術創造立国のための「科学技術基本計画」(当時)に基づき、科学技術への理解を深めるための拠点として開館した国立の科学館で、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営しています。