未来を考える映画イベント「Cinema未来館」

SFは未来のシナリオか?

日本科学未来館

ロゴデザイン:大島依提亜氏

日本科学未来館(館長:毛利 衛)は、今年度、新型コロナウイルスと共に生きる時代の、広く安全な展示空間を生かした新しい科学館の楽しみ方を、シリーズとして提案しています。その第2弾として、2020年10月24日(土)~10月25日(日)に、「Cinema未来館」を1階企画展示ゾーンで開催します。これは、いまだから見たいSF映画をセレクトして上映し、ウィズコロナ時代における私たちの未来について共に考えるためのイベントです。

「人間と情報の未来」(1日目)、「人間と生命の未来」(2日目)を考えるために、それぞれ3つのテーマを選定し、テーマごとにSF映画をセレクトしました。取り上げるテーマは、1日目が「監視社会」「ロボット」「仮想現実」、2日目が「不老不死」「人工生態系」「命の価値」です。このテーマに沿って、「AI崩壊」(2020年)、「チャッピー」(2015年)、「レディ・プレイヤー1」(2018年)、「ルパンvs複製人間」(1978年)、「スノーピアサー」(2013年)、「ガタカ」(1997年)の6作品を上映します。さらに、各日の最終回では、映画鑑賞後に、科学文化作家や脚本家、メディア環境学、幹細胞生物学、科学技術社会論の専門家と、現実の課題について語り合うトークセッションを実施します。これまでの行動様式や価値観の変更を求められているいま、SFが描いてきた「未来のシナリオ」を共有し、現実世界で直面する課題に私たち一人ひとりがどう向き合うかを共に考える映像祭です。

オンライン空間での体験が増えているいま、人の存在を感じる実空間の大画面で映画を共に鑑賞することで、SFが描く「未来のシナリオ」を体感し、研究者・クリエイターが伝える現実の姿を重ね合わせて、これから訪れる世界の可能性と、そこへ向かう前に私たちが考えるべきことを、来館者と共に探ります。

この機会に私たちが立ち止まって考え、行動することで、よりよい未来を築けるかもしれません。

※未来館は、「risk≠0(リスクはゼロではない、だから)」をスローガンに、新たな科学コミュニケーション活動を展開しています。約1500平方メートルの企画展示ゾーンを活用した実験的な空間づくりを通じて、「新しい生活様式」における科学館の可能性や新たな役割もシリーズで提案しています。第1弾では、「空間インスタレーション『ひらめきの庭』」と題して、ゆっくりと思考し未来に向けたひらめきを見つける散歩体験の場を実現しました(2020年8月8日~30日開催)。

各回のテーマと上映予定映画

10月24日(土) 「人間と情報の未来」

A:テーマ「監視社会」 10:20~12:45

©2019 映画「AI崩壊」製作委員会

AIの急速な発展と社会への浸透により、個人データから人間を管理できる社会に突入しようとしています。技術を生かすも殺すも人間です。では、どう使えばよいでしょうか。

上映作品:「AI崩壊」(2020年)
監督:入江悠
出演:大沢たかお、賀来賢人、広瀬アリス

B:テーマ「ロボット」 13:20~15:35

©2015 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation and MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.

人と人の接触を避けざるをえない現在の世界において、人間の役割をロボットが代替する流れはさらに加速するでしょう。ロボットと人間の関係は、どのように変わっていくでしょう。私たちはロボットに何を求めるでしょうか。

上映作品:「チャッピー」(2015年)
監督:ニール・ブロムカンプ
出演:シャールト・コプリー、デヴ・パテル、ヒュー・ジャックマン

C:テーマ「仮想現実」 16:20~20:00 ※スペシャルトークセッションを含みます

©2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI)Limited and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

ウィズコロナ時代を迎えた私たちはコミュニケーションの転換点に立っています。リアルとバーチャルの境界があいまいになり、仮想現実が「仮」でなくなりつつあるいま、私たちにとっての「現実」とは何なのでしょうか。

上映作品:「レディ・プレイヤー1」(2018年)
監督:スティーブン・スピルバーグ、
出演:タイ・シェリダン、オリビア・クック

スペシャルトークセッション 『レディ・プレイヤー1』と未来のアイデンティティ

※映画鑑賞後に休憩をはさみ実施

ゲストスピーカー

宮本道人氏

科学文化作家、筑波大学システム情報系研究員、株式会社ゼロアイデア代表取締役。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。フィクションと科学技術の新しい関係を築くべく、研究・評論・創作を行う。編著『プレイヤーはどこへ行くのか』(南雲堂)、共同企画連載「SFの射程距離」(SFマガジン、早川書房)など。

久保友香氏

メディア環境学者。慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業。東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員などを務めた。著書に『「盛り」の誕生-女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識-』(太田出版)。

企画・ファシリテーション 宮田龍 (日本科学未来館 科学コミュニケーター)
 

10月25日(日) 「人間と生命の未来」

D:テーマ「不老不死」 10:20~12:20

©TMS

「死にあらがう」ためのテクノロジーの発展は、いつしかその範囲を超え、「生命を自在に操る」可能性を示唆しています。生命を操ることで、私たちは何を得、何を失うのでしょうか。

上映作品:「ルパンvs複製人間」(1978年)
監督:吉川惣司
原作:モンキー・パンチ

E:テーマ「人工生態系」 13:20~15:45

©2013 SNOWPIERCER LTD.CO. ALL RIGHTS RESERVED

人口増加、少子化、食糧危機、気候変動、そしてパンデミック。世界がはらむ複数の、そして相反する問題をコントロールして新たな生態系を作れるとしたら、そのとき何が起こるでしょう。それはユートピアでしょうか。

上映作品:「スノーピアサー」(2013年)
監督:ポン・ジュノ
出演:クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、ティルダ・スウィントン

F:テーマ「命の価値」 16:20~19:30 ※スペシャルトークセッションを含みます

©1997 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

遺伝子を操作する技術が進むと、「命の価値を判断する」という考えが生まれる危険性はないでしょうか。そのとき生じるかもしれない差別とあつれきに、私たちはどのように向き合うべきでしょうか。

上映作品:「ガタカ」(1997年)
監督:アンドリュー・ニコル
出演:イーサン・ホーク、ユマ・サーマン、ジュード・ロウ

スペシャルトークセッション 『ガタカ』から考える未来の命

※映画鑑賞後に休憩をはさんで実施

ゲストスピーカー

八代嘉美氏

神奈川県立保健福祉大学教授、慶應義塾大学医学部生理学教室訪問教授。専門は幹細胞生物学、科学技術社会論。2009年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。博士(医学)。東京女子医科大学先端生命医科学研究所特任講師、慶應義塾大学医学部総合医科学研究センター特任准教授、京都大学iPS細胞研究所特定准教授等を経て、2018年より現職。2019年より一般社団法人日本再生医療学会理事。

佐藤大氏

脚本家。19歳の頃、主に放送構成・作詞の分野でキャリアをスタートさせ、ゲーム業界、音楽業界での活動を経て、現在はアニメーションの脚本執筆を中心に、さまざまなメディアでの企画、脚本などを手がけている。脚本代表作として、『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊 STAND ALONECOMPLEX』、『交響詩篇エウレカセブン』『エースコンバット3 エレクトロスフィア』、『バイオハザード:リベレーションズ シリーズ』など。

企画・ファシリテーション 園山由希江 (日本科学未来館 科学コミュニケーター)
 

基本情報

タイトル
Cinema未来館
会期
2020年10月24日(土)~10月25日(日)
会場
日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン
参加料
無料 ※入館料不要。常設展を見学する方は、別途事前予約と入館料が必要です。
参加方法
未来館ウェブサイトより各回の事前申込制。10月1日申し込み開始。
定員
各回100名、先着順(人数を制限し、距離を確保した座席配置を行います)
主催
日本科学未来館
協力
CINEMORE(シネモア)
詳細URL
https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202010241576.html
お問い合わせ
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)