新展示「ちいさなロボットたちがこだまする森」[4月21日(金)公開]

"群れる"ロボットたちから、個や集団に思いを馳せる

レーザーマイス ダイアド (撮影 黒羽政士氏)

2023年4月21日から、常設展示内「零壱庵(※)」において、新展示「ちいさなロボットたちがこだまする森」を公開します。ホタルなどの光の同期現象から着想を得て制作された約30台の小型ロボットが、各個体が発するレーザー光などを介して互いの光や動きに影響を与え合いながら、森に見立てた展示空間を群れるように動きます。そのふるまいを鑑賞しながら、自己と他者、集団の在り方などを自由な視点で考える展示です。

展示の主役は、小型の群ロボットインスタレーション作品「Lasermice dyad(レーザーマイス ダイアド)」。アーティスト菅野創氏がホタルなど群生する生物に見られる同期現象に着想を得て制作したものです。第22回文化庁メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞した作品「Lasermice(レーザーマイス)」からアップデートされた本作品では、緑に加えて赤のレーザー光が追加され、各個体の発する光や音が同調したり、多数派や少数派といった関係性が生まれたりするなど、約10㎝のロボット同士がより複雑に影響しあう様子を見ることができます。

本展示では子供から大人まで幅広い方に親しみを持っていただくため、ロボットたちが架空の森で暮らす様子を演出します。1日を約10分間の演出で構成し、夜になると「Lasermice dyad」の動きが緩やかになるなど、本展用に新たなチューニングが加わっています。光や森のオブジェに集まったり、隅の方で集団から孤立したりするそのふるまいは、鑑賞者に生き物らしさを感じさせたり、架空の森の中での個と集団の関係性へと思いを巡らせたりするでしょう。コロナ禍で人との関わりについて考える機会が多かった私たちにとって、改めて人間社会を見つめなおすきっかけになるかもしれません。

(※)零壱庵(ぜろいちあん)は、アート作品を通して科学技術とともに変わり続ける人の認識や社会について考えるギャラリーです。

アーティスト 菅野創(かんのそう)氏
1984 年生まれ。2013 年からベルリンを拠点に活動。テクノロジーの進化や変化がもたらす事物の本質的な変化に、自覚的に新しい視点をもたらすような作品を制作する。近年は主に多数のロボットを用いた作品を制作している。文化庁メディア芸術祭優秀賞 2 回、新人賞 1 回、審査員推薦作品 2 回。アルスエレクトロニカデジタルミュージック部門オノラリーメンションなど受賞多数。

基本情報

タイトル
零壱庵 「ちいさなロボットたちがこだまする森」
公開日
2023年4月21日(金)
展示エリア
日本科学未来館 3階 常設展示ゾーン「未来をつくる」
開館時間
10:00~17:00 (入館券の購入は閉館時間の30 分前まで)
入館料
大人630円、18歳以下210円
アーティスト
菅野創氏
総合監修
伊東順二氏(東京藝術大学)
企画制作
日本科学未来館
お問い合わせ
日本科学未来館
Tel: 03-3570-9151(代表)
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