館長 浅川智恵子から新年のご挨拶

館長 浅川智恵子

あけましておめでとうございます。

 全盲の私にとって、情報へのアクセスなど科学技術の進化はこれまで人生の質を劇的に変えてきました。現在は、好きな場所に気軽に行けるようにナビゲーションロボット「AIスーツケース」の開発に取り組んでいます。多様な人々が生きる社会でお互いのギャップを小さくし暮らしやすくする、科学技術はこれからもそんな可能性を持つものです。しかし、そういった科学技術の可能性は、社会に余裕が失われつつあるせいか見えにくくなっているのではないでしょうか。

 新たな科学技術にワクワクする体験をすべての世代に提供することができれば、科学技術を取り巻く環境は変わっていくと信じています。日本科学未来館では、その一助になるために、「あなたとともに『未来』をつくるプラットフォーム」というビジョンを、昨年はさらに「Mirai can_! 未来は、かなえるものへ。」というスローガンを発表しました。今年はいよいよ具体的な成果をみなさんにお見せしていく年です。うさぎのように飛躍する未来館に、ぜひご期待ください。