本展は、南極地域観測事業70周年を記念し、未知なる極限の大地、南極での観測活動と挑戦に迫る展覧会です。
1956年、南極観測船「宗谷」に乗った第1次南極地域観測隊が東京・晴海埠頭を出発し、日本の南極への挑戦が始まりました。日本の南極観測は、今年70周年になります。
南極は人間活動による大気や環境への影響が少なく、現在の地球の状態をダイレクトに知ることができる場所です。ここで日本の観測隊が長期にわたり観測し続けたデータは、今後の地球環境を知る上で重要なものです。また、南極大陸には地球の氷の約90%が存在し、その融解は将来の地球環境に大きな影響を与えます。南極地域観測隊は先端の科学技術を用いた現場観測により、気候変動メカニズムの解明に挑んでいます。
本展では、来場者が「特別南極観測隊」の一員となり、南極ならではの壮大な映像や体験型展示を通して、日本の南極地域観測隊が行う多様なミッションを楽しみながら学べるとともに、地球の未来を考える機会を提供します。
今年の夏はぜひ、南極を通して地球の未来を考える本展にお越しください!
展示紹介
本物の南極の氷にさわれる
南極で採取された “本物の氷” に実際に手で触れることができます。何千年・何万年も前に降った雪に、いま自分が触れているという不思議な感覚は、ほかでは味わえません。手に伝わる冷たさを感じるとともに、透明度や細かな気泡の入り方をじっくり観察できます。
本物の南極の氷にさわれる体験エリア
※画像はイメージです
南極の氷の採取
©国立極地研究所
深層アイスコア展示
南極の氷床の深部から採取されたアイスコアを、間近で観察できる特別展示です。アイスコアは、国立極地研究所の低温室で厳重に保管される貴重なサンプルで、一般公開されること自体が非常にまれです。透明な氷の内部には、積雪当時(数万年前)の空気や気温、降水など、地球環境の変化の痕跡などがそのまま閉じこめられており、地球の気候変動を読み解く “タイムカプセル” として扱われています。本展では、実際にアイスコアの掘削に使用されたドリルもあわせて展示。南極観測の意義とダイナミックさを実感できる、科学ファン必見のエリアです。
低温室に保管されているアイスコア
©国立極地研究所
アイスコアの掘削に使用されたドリル
©国立極地研究所
ブリザードを体験!
南極のブリザードは、強い風と舞い上がった雪で視界が急激に奪われる、極地特有の気象現象です。地表の雪が巻き上がるため、たとえ雪が降っていなくても周囲は真っ白になり、目の前の目印さえ見えなくなる “ホワイトアウト” に近い状態が発生します。風速や視界不良の度合いによってA・B・C級に分類され、強いブリザードは観測隊の行動を止めなければならないほど危険です。南極で建物同士を結ぶロープをたどって移動するのは、この視界不良の中で安全を確保するための知恵でもあります。本展では、この過酷な自然を安全に体感できるよう、強風と視界不良をそれぞれに分けて再現。観測隊がどんな環境で研究を続けているのか、その一端を自分の体で確かめられる、本展ならではの体験です。
南極のブリザードを体験できるエリア
※画像はイメージです
©国立極地研究所
南極は隕石天国?! 本物の隕石にさわれる! 持てる!
“隕石採集の聖地” と呼ばれる南極で見つかった、本物の南極隕石を展示します。南極では白い氷上に黒い隕石が露出するため発見しやすく、氷河の移動によって長年をかけて一か所に集まります。このため国際隕石学会に登録されている隕石の約60%が南極で採取されているという、驚くべき数字につながっています。日本の観測隊も1969年以降に約17,400個もの隕石を採取してきました。本展ではその中から厳選した30点以上の実物サンプルを公開。手でさわれる・持てる鉄隕石や、月・火星から飛来したと考えられる希少隕石も登場します。さらに、大阪・関西万博で展示され話題を呼んだ「さわれる火星隕石(スライス)」の実物も展示。南極と宇宙がつながる、知的好奇心を刺激するエリアです。
南極で採取された鉄隕石
©国立極地研究所
隕石薄片写真
©国立極地研究所
南極の生き物
南極の厳しい環境で暮らすペンギンやアザラシの生態を、標本展示や観察ドームを通して立体的に観察できるエリアです。あわせて紹介する「ペンギンセンサス」は、営巣地でペンギンの数を毎年記録し、繁殖や個体数の変化を追う長期調査。観測隊が実際に行っている重要なモニタリングで、南極の生態系の “今” を知る手がかりとなっています。このエリアでは、その調査方法の体験を通して、生き物たちの世界をより深く理解できます。
標本展示を間近で見られる観察ドーム
※画像はイメージです
©国立極地研究所
地質調査エリア
南極の岩石には、数億年前、南極がアフリカ・南米・オーストラリア・インドとともに “ゴンドワナ超大陸” をつくっていたころの証拠が残っています。採取された岩石や化石のほか、調査に使われた道具を通して大陸移動の歴史と研究に触れながら、南極の大地が語る地球史の謎を楽しく読み解くことができるエリアです。調査時に運ぶ岩石の重さの体験や岩石の観察ができます。
海洋観測エリア
南極の海の変化を追う最新の調査を紹介。自立型無人探査機(AUV)「MONACA」の模型や係留系観測器が勢ぞろいし、海底や氷床の秘密に迫ります。双眼鏡で波間に浮かぶ係留系を探すミニ体験で、研究者の発見の瞬間も味わえるエリアです。
大気観測エリア
南極の空を調べるゾンデ気球や観測装置を展示。オゾンホールや気候変動を「空からどう読みとくのか?」を知ることができます。
オーロラ観測エリア
昭和基地で撮影された迫力のオーロラ映像を公開。光のカーテンが生まれるしくみや、宇宙と地球のつながりを楽しく学べます。
昭和基地エリア
©東京農業大学「食と農」の博物館
南極という厳しい環境で暮らす観測隊の生活を紹介。基地の設備や食事など、さまざまな工夫に満ちた生活の様子がわかり、 “極地で働く”ことが身近に感じられます。
観測体験のおわりに
※画像はイメージです
展示エリアの最後には、頭上いっぱいに広がるオーロラの光に包まれながら歩く、特別な “帰り道” が待っています。ゆらめく緑のカーテンが道を照らし、まるで極夜の南極をひとり占めしているような幻想的な空間です。映像と光が織りなすドラマチックな演出で、南極観測体験の余韻を美しく締めくくります。
ミッションシート
本展入口で「ミッションシート」をお渡しします。会場内を巡り、南極観測・研究に関するミッションにチャレンジすることで、主体的に楽しめる “参加型” の展示構成になっています。ミッションを達成すると、本展の「特別南極観測隊員」として認定されます。
スペシャル企画
※画像はイメージです
本物の南極の氷をプレゼント!
南極で何千年も眠っていた “地球の記録” を、あなたの手に。累計ご来場者数の下3ケタが777番目となった方に、本物の南極の氷をプレゼントします(例:1,777番目、20,777番目など)。氷を水に浮かべると、長い年月閉じ込められていた空気が静かに立ちのぼり、「パチパチ」とした音が南極で積み重なった時間をそっと知らせてくれます。
※配布対象者の決定方法については変更させていただく場合があります。その際は本展公式Xにてご案内いたします
メッセージ
南極観測70周年にあたって (国立極地研究所長 野木 義史)
2026年、南極観測は70周年を迎えます。
1956年11月8日、第1次南極地域観測隊を乗せた南極観測船「宗谷」が東京を出港しました。翌1957年1月29日には昭和基地が開設され、日本の南極観測の挑戦が幕を開けました。
南極観測の原点には、時代を超えて、未知の世界に挑み、科学の力で人類の未来に貢献しようとする、探究と挑戦の精神が息づいています。
大南極展では、来場者の皆さんに特別南極観測隊の一員となっていただき、観測隊の活動や南極の自然を体験していただきます。是非、多くの皆様にご来場いただき、観測隊の探求と挑戦の精神に触れ、共に未知の世界に挑む気持ちを分かち合っていただければ幸いです。
大南極展の開催に寄せて (第67次南極地域観測隊長 青木 茂)
2026年夏に、日本科学未来館において特別展「大南極展」が開催されるとのこと、心よりお喜び申し上げます。第67次南極地域観測隊は、昭和基地での夏期活動をほぼ終了しつつあるところです。
国内の皆様からの応援が力になり、例年にない海氷状況の中でも、無事にほぼ計画通りの活動ができています。
大南極展を通じ、多くの皆さんが、南極地域観測隊の最先端の発見や隊員の活動に直に触れていただき、更に興味関心を深めていただけることを期待しています。
開催概要
- 展覧会名
- 特別展「大南極展」
- 会期
- 2026年7月1日(水)~9月27日(日)
- 会場
- 日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン (東京都江東区青海2-3-6)
- 時間
- 10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで)
- 休館日
- 7月7日(火)、7月14日(火)、9月1日(火)、9月8日(火)、9月15日(火)
- 料金
-
大人[19歳以上] 2,000円(1,800円)
18歳以下[小学生以上] 1,300円(1,100円)
未就学児[3歳以上] 900円(700円)
※( )内は前売料金および8名以上の団体料金。価格はすべて税込み。
※2歳以下は無料。
※障害者手帳、受給者証等の証明書をお持ちの方は本人および付添の方お一人まで無料。証明できるものをご提示いただく場合がございます。
※18歳以下の方は、入場の際に年齢が確認できるものをご提示いただく場合がございます。
※日本科学未来館の常設展もご覧いただけます。ただし、ドームシアターは別料金(要予約)となりますので、鑑賞する場合は、日本科学未来館のオンラインチケット購入サイトまたは窓口にて、「[追加券] ドームシアター」をご予約・ご購入ください。※団体(8名以上)のご予約は「団体予約について」をご確認ください。
※最新情報は本展公式サイトをご確認ください。
- お問い合わせ
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大南極展事務局:03-6820-4071
平日10:00〜18:00(※7月1日以降は開館日の10:00~18:00)
- 本展公式サイト
- 主催
- 日本科学未来館、国立極地研究所、ドリームスタジオ、テレビ朝日、朝日新聞社
- 企画制作
- ドリームスタジオ
- 特別協賛
- KDDI
- 協賛
- 三機工業、ミサワホーム、ヤンマーホールディングス、レンゴー、東京農業大学
- 後援
- 文部科学省、外務省、環境省、防衛省、気象庁、海上保安庁、国土地理院、情報通信研究機構、東京都教育委員会、立川市教育委員会、東京臨海高速鉄道、ゆりかもめ
- 協力
- 東急電鉄
