世界初北極コアに挑む
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プレス発表の内容
 
 
時事通信社
◎北極海底下の掘削に初成功=
4000万年前の試料採取-国際調査隊

日米欧と中国が参加する「統合国際深海掘削計画(IODP)」の国際調査隊が、氷で覆われた北極海の海底下を深さ272メートルまで掘削し、円柱状の堆積(たいせき)物の試料を採取することに初めて成功した。
文部科学省が31日発表した。最も深い部分の年代は、含まれていた微小な化石の分析結果から、約4000万年前と判明。当時は北極海にまだ氷がなく、試料を分析すれば、気候変動の推移と原因のほか、古代に繁栄した海洋生物などが明らかになると期待される。
日本から高橋孝三九州大教授や須藤斎筑波大特別研究員ら3人が参加した国際調査隊は、欧州が提供した掘削船1隻と砕氷船2隻で船団を組み、8月8日にノルウェーを出発。4カ所の掘削予定地点のうち、北極点から最も近い地点(距離233キロ)で、最初の掘削に成功した。海面から海底までの距離は約600メートルだった。
調査隊は9月17日まで残り3カ所をできるだけ掘削し、11月初旬からドイツ・ブレーメンで掘削試料の基礎的な分析を行う。

(C)時事通信社
(004/08/31-22:10 )
 
swissinfo
◎北極が語る5000万年の地球環境

北極海の掘削航海へ向かうノルウェーの掘削船。船体に掘削リグを掲載している。氷に刻まれた地球の「記憶」を解明するため、スイスや日本、米国を含む共同探査チームが8日、北極海へ向かった。今回の航海では、北極海から約250キロ離れたロモノソフ海嶺で深海底を掘削し、海洋変動を記録した堆積物を採取する。この調査の結果、およそ5000万年前まで遡れるとしている。北極海の深海底を掘削するのは世界で初めて。
プロジェクト名は「北極掘削航海(ACEX)」。今回の航海に参加した科学者の数は19人で、予算総額は900万ユーロ(約12億円)となっている。掘削作業は9月16日まで行われる予定だ。

激動する地球

今回の航海は、「統合国際深海掘削計画(IODP)」という名が付いた国際的な科学プロジェクトの一環で、最初の実地探査となる。IODPは当初、日米を中心に始まった計画だが、その後、スイスを含む欧州と中国が参加して進められている。IODPのメンバーで、欧州海洋研究掘削コンソーシアム(ECORD)のスイス代表を務めるジュディス・マッケンジー教授は、「掘削される堆積物は地球史の教科書そのもの」と話す。
同教授によると、5000万年ほど前の北極には氷がなく、気候も温暖でワニが生息していたと考えられているが、なぜ北極が氷河化したのか理由はわかっていないという。
また、北極海は全世界の海洋循環に関係しているとも指摘されているが、実態は謎に包まれたままだ。
マッケンジー教授は「北極の海氷がいつ頃から形成されたのかなど、気候変動における北極海の役割を解明したい」と今回の航海に期待を寄せる。
掘削航海終了後、採取された堆積物はドイツのブレーメン大学で分析される予定となっている。

スイス国際放送  モルヴェン・マクレーン
安達聡子(あだちさとこ)

Copyright swissinfo SRI (水曜 01.09.2004, CET 18:11)
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