メディアラボ第18期展示「アクティブでいこう! ものぐさ→アスリート化計画」

常設展示「メディアラボ」は、先端情報技術による表現の可能性を、定期的な展示更新を行いながら紹介していくスペースです。

運動、足りていますか?
体を動かすのは健康にいい。そんなことわかっている。だけど始められない、続かない。きっかけがあればなあ。そんな、ものぐさなあなたに朗報です。日々の暮らしの中に、自然と運動を始めてしまうよう、テクノロジーを仕組めばいいのです。私たちはこれを「運動の生活カルチャー化」とよび、そのための研究開発を行っています。未来の社会は、誰もが気づかないうちにアクティブです!


出展者インタビュー

心衣(こころも)

心衣は、衣類にさまざまなセンサーを組み込む「スマート・センシング・ウェア技術」を使っています。肌着なので装着を意識することなく、心電図などの生体データを定常的に取得することができます。データから運動負荷やストレスなどを分析して、速やかに対応することも可能になります。

音的(おとまと)

超音波スピーカーを使うと、スポットライトのようにまっすぐに、直線状の領域に音を伝搬することができます。これを電動雲台に載せると、音の放射する方向を自在に制御することが可能になります。アスリートが移動しても、追従して音を届けることができるわけです。展示では、スピーカーの前の特定の人をターゲットとして追いかけ続けます。

音扇(おんせん)

超音波スピーカーを使って音が聞こえる領域を設定し、音の空間を区切って同じ場を共有することを「空間シェアリング」といいます。超音波スピーカーの放射板が平面ならば、音は直線状の狭い範囲で届きます。放射板を曲面に変形させると、音の範囲が扇型になって、より多くの人に音を届けることが可能になります。展示では、放射板の変形を繰り返すことで、音の届く範囲の変化を体感することができます。

音玉(おとだま)

超音波スピーカーは、人間には聞こえないはずの複数の超音波を、相互作用により復調させることで、可聴音として再生しています。その応用として、複数の超音波を別々のスピーカーから出力すると、それらが交差する1点でのみ音が再生されます。こうしてできた球形の可聴領域を「極小領域オーディオスポット」と呼びます。

おえかきんでん

最後に、あなたを含めた3人の協働作業で,素敵な都市風景を生み出してみましょう。ハンドグリップ運動により、ひとりひとりの腕に力が入ると、腕に巻いたセンサーに筋肉から微弱な電気信号が発せられます。信号の強さに応じて目の前に都市が形成され、彩られ、賑わいます。また、あなたに降り注ぐ音楽は、あなただけにしか聞こえない、あなたの筋肉が奏でる音楽です。


公開時期 2017年6月22日(木)― 2017年11月22日(水)
出展者
  • 伊坂 忠夫(いさか・ただお)

    立命館大学スポーツ健康科学部 学部長・教授
    COI「運動の生活カルチャー化により活力のある未来をつくるアクティブ・フォー・オール拠点」研究リーダー
    運動の生活カルチャー化を実現するため、スポーツ科学を中心に多岐にわたる分野との連携を図り「健康行動継続学」の構築を目指す。また、工学分野と連携しながら、スポーツ選手ならびにリハビリテーションに活用できる新しいコンセプトのトレーニング装置の開発に携わる。