福島第一原子力発電所の構造図

原子炉建屋の断面概要図 福島第一原子力発電所 1〜5号機 (Mark-I型)


福島第一原子力発電所1~5号機の原子炉のしくみを簡略化した図で表しています。同発電所の原子炉は全部で6基。すべて沸騰水型(BWR)とよばれる原子炉で、燃料棒から発生する熱で水を沸かし、得られた水蒸気の力でタービンを回して発電します。1~5号機は、沸騰水型の中のMark-Ⅰ型(下図)と同じタイプの原子炉です。
原発事故ログや事故に関する記事をみるときの参考にお使いください。



<各構成要素の解説>

燃料棒: ウラン酸化物を焼き固めた直径1センチ × 高さ1センチの円筒形ペレットを、およそ300個積み重ねてジルコニウム合金で被ったもの。1基あたりおよそ4600本の燃料棒が使用されている

圧力容器: 燃料棒を収納する最も内側の容器。原子炉運転中は温度約280 ℃、圧力約70気圧の水蒸気が圧力容器内に発生している。厚さ約15センチの鋼鉄製で、約90気圧まで耐えられる。何らかの原因で、容器内の圧力が高くなりすぎたときには、逃がし安全弁が自動的に開き、高温高圧の水蒸気が圧力抑制室(ウェットウェル)にためてある水の中に排出・冷却されて圧力が下がるしくみになっている

格納容器: 圧力容器全体を覆う容器。厚さ約3センチの鋼鉄製。圧力容器から放射性物質が漏れ出した場合、外に出さぬよう封じ込める役割を果たす。ドライウェルとウェットウェルの2つの部分からなる

圧力抑制室(ウェットウェル): 格納容器の一部。フラスコ型をしたドライウェルの下部にある、ドーナツ型の水をたたえた部屋。圧力容器やドライウェル内の蒸気圧が高まった際に、圧力抑制室の水中に蒸気を導入して冷却することで圧力を下げる

建屋: 原子炉の最も外側の障壁。厚さ約1メートルの鉄筋コンクリート製

使用済燃料プール: 発熱しつづける使用済み燃料を冷却するためのプール

ベント: 格納容器の圧力を外に開放すること。通常はウェットウェル内の水を通してのウェットベントを行なうが、今回の事故ではやむを得ず水を通さないドライベントも行なわれた

 
作図+執筆:科学コミュニケーター 田端萌子
Č
Ċ
ď
web admin,
2011/05/09 4:53