放射能の基礎知識

人の放射能


「人に放射能」と聞いて驚く人がいるかもしれません。しかし、私たちは食べ物などから放射性物質を体内にとり入れています。ここでは、人のもつ放射能について解説します。

ふだん食べているものにも放射能がある

福島原子力発電所の事故の影響で、いくつかの農産物から食品衛生基準法上の暫定基準値を超える放射線が検出されたという報道がありました。例えば放射性物質のヨウ素131の1 kgあたりの暫定基準値は、ほうれん草などの野菜では2000ベクレル、飲料水と牛乳・乳製品では300ベクレルです。この数字の大きさを不安に感じる人がいるかもしれません。しかし、食べ物にはもともと放射性物質が含まれています。食べ物に含まれる代表的な放射性物質であるカリウム40が、どのような食品にどれくらい含まれているのか、下の表に示します。


  ベクレル/kg
 干しこんぶ 2000
 ほうれん草 200
 牛乳 50
 米 30
食品1 kgに含まれるカリウム40の放射能


放射能を体内にとり込むことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、カリウムは、ミネラルに分類される栄養分で、人体にとって必要な元素のひとつです。長い地球の歴史の中で、生物がとり込み利用してきた元素であり、多くとれば余分な分は排出されます。

身体に含まれる放射性物質

食べ物だけではなく、身の回りの大気や大地にも放射性物質が含まれ、私たちは呼吸したり食事したりすることで体内にとり入れています。では、私たちの身体はどれくらいの放射能をもっているのでしょうか。下の表を見てください。このように人にも放射能があります。しばらくは、原発事故による環境中の放射能の増減を気にしながら、放射性物質とうまく付き合う必要があります。規制値の値のみを見て慌てるのではなく、冷静に判断することが必要です。


  ベクレル
 カリウム40 4000
 炭素14 2500
 ルビジウム87 500
 鉛210・ポロニウム210 20
体内の放射性物質の放射能(体重60 kgの人の場合)


執筆:科学コミュニケーター 高田真希

2011/07/08 掲載


関連リンク

電気事業連合会 - 「原子力・エネルギー図面集 第6章『放射線』」