世界科学館サミット2017 開幕

日本科学未来館において、2017年11月15日(水)午前9時、「世界科学館サミット2017」が始まりました。世界科学館サミットは3年に一度開かれ、世界の科学館の代表者、教育関係者、政策関係者、企業関係者らが一同に会し、今後の科学館が果たすべき役割について話し合うものです。今回のサミットはアジア初開催となり、「世界をつなぐ- 持続可能な未来に向かって」をメインテーマに、科学館が他の業界組織と連携した新しいモデルへと変革し持続可能な社会の実現に貢献していくための戦略について、98の国と地域の参加者828名が2017年11月17日(金)までの3日間にわたり多様なセッションを繰り広げ議論します。


開会式

皇太子殿下御臨席のもと、科学館関係者をはじめとしたサミット参加者、各国大使館関係者などが参加し、開会式が行われました。冒頭、本サミットの国際組織委員会の毛利衛委員長は、各国・地域からの参加者を歓迎し、「今ある豊かな地球と生命を未来につないでいくために何をすべきか、本サミットで世界の皆さんとともに考えていきたい」と挨拶しました。その後、皇太子殿下から「本サミットに集われた方々が、相互理解と友好を深め持続可能な未来に向けた展望と方途を共有するとともに、より良い社会の実現に貢献する更なる一歩を踏み出すことを期待します。」とおことばを賜りました。開会式の最後には、スマヤ・エル=ハッサン王女(ヨルダン・ハシェミット王国王立科学協会会長)が「持続可能な社会の実現には、世界が一緒になって科学技術と向き合うことが欠かせない。科学者が結集して知見を共有し、あらゆる世代の人々を教育し、力を与え、刺激し、啓発することが求められている」と締めくくりました。


基調講演・基調セッション

続いて行われた基調講演では、建築家の安藤忠雄氏が登壇し、「20世紀は科学技術が進歩した時代であり、人々の生活は便利で快適になったが、急激な人口増加やそれに伴う資源の減少など、問題もたくさん生まれた。科学技術にはこれらの問題をどう支えていくかが問われている」とし、「こうした時代に、『共に生きる』という考え方が求められている。アジアと共に生きる、地球と共に生きる、世界と共に生きる、同時に科学技術と共に暮らす、ということである。また、未来の子どもたちに美しい地球を受け継ぐためには、課題について子どもたち自身が『考える力』を養う場所や機会を作ることが重要」と科学館サミットへの期待を話しました。
基調セッションでは、宇宙飛行士のジャン・デイビス氏と毛利衛との対談が行われました。冒頭、毛利が自身の宇宙飛行について触れ「宇宙から地球を眺めると、生命が存在しているのは、宇宙放射線から守られている、ほんのわずかな表面の薄い層でしかないことが分かる。その中で、人類を含め地球上のすべての生物がつながり支えあっている」という視点を提供し、「一人の人間だけで社会を維持することもできないし、一つの社会だけで世界を維持することもできない。『つながり』の視点をもち、地球規模課題を考えることが重要」と述べました。対談では、「国際宇宙ステーションなど宇宙開発分野は、多くの国々・文化の人々が関わり、結果を共有している好例」と紹介し、「科学館業界としても、科学技術の国際的な連携・協力のために努力してきたい」と展望を語りました。


各セッション

基調講演に続き、具体的な科学館の行動指針をテーマ別に議論するセッションがスタートしました。グローバルな政治経済の動向と科学館の関係を考えるセッションでは、移民問題などを抱えるヨーロッパの関係者から「ナショナリズム、ポピュリズム、不信や混乱といった新しい状況に対応するために、私たちは根本から変わる必要があるのではないか。信頼ある科学館として、どのような責任を負い、新しい問題にどう立ち向かうべきか」と問題提議がされ、各国からの参加者が活発に議論を行いました。このほか、会期終了の17日までに様々なテーマで45のセッションが行われます。

このエントリーをはてなブックマークに追加
Twitterでリンクをあなたのフォロワーに共有する

お知らせ